地域の方に頼まれ、童謡「ずいずいずっころばし」の編曲(もどき)に、1年半ぐらい奮闘しました。
歌詞の内容にゆかりがある地域であるため、ぜひ地域の催しなどで演奏してほしいということでお声がかかりました。
実際に編曲(もどき)してみると、コードに当てはめることが非常に難しく苦戦しました。
ついに初演を迎えましたが、その前の練習を聴きに行くことができず、演奏のときに初めて聴くというとてもハラハラドキドキの展開でした。
民謡調のフシ、そこに混ぜた行進曲のリズムとバンドの音色が割と合っていて、前半部分はよかったです。ひとまず安心。
しかし後半、自分のやりたい要素を加えた部分が、編曲(もどき)上の問題で何をやっているのかよくわからず、尻切れトンボになってしまった印象です。
これはがっくし。同じ日に演奏していた他のプロの先生の編曲と並ぶとそれは雲泥の差でした。演奏してくれたみんなにも、聴いてくれたお客さんにも申し訳ない気持ちになりました。(いい意味でも悪い意味でも、編曲(もどき)が悪いと分かっている人がどれだけいたのだろう…。)
月日は流れ、後輩からメールが。
「以前ずいずいを演奏した施設の方から伝言をもらったんですけど、そのとき演奏したずいずいずっころばしの録音をテープに焼いて送ってほしいという方がいるそうです。」
思ってもいないことでした。あんなに拙い編曲(もどき)でも、必要としている人がいるんだと、嬉しい気持ちの反面申し訳ないという気持ちもありました。
勉強のためにもちろん録音はしていたので、連絡先を聞きすぐに渡しました。(テープレコーダーを持ち合わせていなかったため、早急に友達に借りました…。)
その方に録音をお渡しする際、「来月、演奏会(ずいずいとは無関係)があるんですって?聴きに行きますよ。」と嬉しい言葉を頂きました。
演奏会の後、ロビーでお会いしたその方から一通のお手紙をいただきました。
そこには、ずいずいずっころばしがどういう唄で、どういう歌詞なのか、地域とどういうかかわりがあるのかが書いてありました。
そして、「いただいた録音は素晴らしいけれど、舞踊で使いたいから踊りやすいようにしてほしい」
というご注文を頂き、テンポ設定や節回し、吹奏楽版に歌を入れるかどうかということを後日電話越しに確認しながら、3番までの唄入り版を作ることに落ち着きました。(初演は1.5番(?)ぐらいの歌なしでした。)
楽譜を作ったはいいものの、立て込む部活の行事の中(自分の実習もあり)なかなか録音の機会が取れず…、数人ずつ呼び出して多重録音(一部museに頼る笑)という初の試みを行いました。なんっとか舞踊の本番前ぎりぎりに間に合いましたが…、とても遅くなってしまい申し訳なかったです。
こうした活動を通して地域の方々(最初に依頼していただいた方も、録音を送ってくれと頼んでくれた方も、聴いてくれたお客さんも)とつながることができたというのはとてもいい経験でした。これからもどこかで演奏してくれるといいなあと思います。
ずいずいの編曲もどきにも、ほんのちょっとだけですが自分の色みたいなものを織り込むことができたと思います。
おっとさんがよんでも…、の部分のフルート・ユーフォニウムの対旋律、ホルンのハーモニーの動きに少しこだわりました。
幻想的なイメージで、音を何か所かぶつけました。
下記4、5小節目のHr.(in F)の下声部がスケールでシラソファと下っているのが好きです。笑
そして、たわらのねずみが…、の部分では、3番だけコードをいじりました。
1.2番はBm→F♯m/B→Bm→F♯m→Bm→Bm
あまり変化がない感じになりますね。
3番だけ、G→G→F♯m→Bm→F♯m/A→G(→E7→Am)
Gはメジャーコードですが、Bmに比べ少しシリアスというか、内に秘めた思いみたいなものを感じる気がします。不思議ですね。
コードに当てはめるのが難しい曲だからこそ、いろいろ当てはめてみるのも面白いかもしれませんね。曲が変わりすぎない程度に…。
ではまた~。