現在、中学校・高等学校の教師をされている皆さん!
または、これから教師になる皆さん!
こんな悩みを抱えていませんか?
「経験のない部活動の顧問を任された・・・。」「何をしたらいいか分からない・・・。」「放課後の時間が憂鬱だ・・・。」
私自身も教師(常勤講師含む)になってから4年間、競技経験のない部活動の主顧問を務めていました。
吹奏楽経験者であるにもかかわらず、テニス部顧問、剣道部顧問、水泳大会の引率など、いくつかの仕事を引き受けてきました。
今回は、私の経験をもとに、同じような気持ちを抱える先生方の気持ちが少しでも楽になれるような記事を書いていきたいと思います!
春から経験のない部活動の顧問に! 何をしたらいいの?
まずは顧問としての基本的な役割を果たす
生徒が安全に活動できるように見守る
部活動は、技能の向上のためだけに行うものではありません。
あくまで課外活動の一環として行われるもので、生徒の人間的な成長や、チームメイトとの協力する心を育てるための場です。
まずは、生徒が安全に活動できよう、サポートすることが一番なのではないでしょうか。
生徒の安全を確保するために顧問ができることは、
- 生徒が活動している時間は生徒の目に入る場所にいる(できる限り職員室に戻らない)
- 練習場所やその周辺に危険なもの(人)がないか、気温などの環境条件が適正か、点検する
- 生徒の気になる行動や表情の変化を察知し、適宜声をかける
- 無断で欠席している生徒の家庭に連絡をする
など、教師を務める上で基本的なことだと思います。
これらを守ることで、生徒に「先生はいつでも見ていてくれる」という安心感を与えることができます。
技術的な指導ができるようになるまでにはかなりの時間が必要ですが、これらのことは意識すればいつでもできると思います。
練習場所やお金・物品の管理をする
練習をどこで行うかは、毎月の練習計画表などで生徒に伝えます。
例えば体育館の部活の場合は、体育館の中でも割り振りがあると思うので、体育館部の顧問同士で話し合ったり、それまでの流れで割り振りがすでに決まっていたりします。
他にも、吹奏楽部の場合は、「この日は英検のため教室で音出しができない」などの学校行事との兼ね合いに左右される部分が大きいので、学校の行事予定表とよく照らし合わせた上で練習場所を決定していく必要があります。
お金の管理は、顧問の重要な仕事です。ユニフォーム・ゼッケンのお金やウインドブレーカーのお金など、もし現金のやり取りがある場合はその日の朝のうちに生徒から受け取り、すぐに金庫に保管しましょう。
物品の管理も顧問が行います。部室の鍵の貸し借りは生徒が職員室に来て行うことがありますが、生徒が鍵をちゃんと返したか、最終確認は必ず顧問が行います。
学校で用意している物品を大切に扱うことも生徒にしっかり伝えましょう。
現在の活動をよく見て、記録する
「顧問になったから、生徒を導くリーダーにならなきゃ・・・!」
「明日から部活初めだ・・・。練習メニューを考えよう・・・!まずは本を読んでやり方を覚えて・・・。」
ちょっと待ってください。焦る必要はありません。
部活動は生徒が主体となって運営していくものです。
その部活には、その部活なりに確立された練習メニューがすでにあるはずです(その部活が創部初日である場合を除いて)。
まずは、生徒が現時点でどのような活動をしているか、観察し、記録しましょう。(練習メニューをメモするなど。)
できるなら、新年度一発目の部活で、ミーティングを開いて現在の練習メニューを整理してもいいと思います。
なぜこうしたことが必要かというと、新しく入った先生が、今までの練習メニューや昨年度の顧問や生徒の意向を無視して練習を行うことで、生徒の反発を招き、顧問への信頼が薄れてしまうことが考えられるからです。
これは、競技経験がある場合でも同じことが言えます。初めから自分のやり方にしようとせず、昨年度までの顧問や生徒の意向を尊重することが、生徒との信頼関係を築く第一歩になると思います。
また、記録に関して、生徒の活動を写真に撮っておくこともよいでしょう。
生徒が3年生の引退のときに送る写真として使うこともできます。
他の先生や外部との連絡を取る
先述したように、教師同士の話し合いで練習場所を決定したり、学校行事との兼ね合いについて他の先生と連携・相談する必要が出て来ます。
また、外部指導者がいる場合は、その先生との連絡が必要になると思います。
外部との連携をすることによって、生徒の活動の幅が広り、さらなる技術の向上に励むことができるため、顧問の頑張りが生徒に還元されると思っていいでしょう。
それでも経験のない部活動はやりたくない!
今できることを着実に・・・という話を進めてきましたが、それでも経験のない部活動の顧問を務めることは苦痛であることに変わりはないと思います。
もしどうしても辛いのであれば、然るべき人に自分の気持ちを正直に伝えましょう。管理職や学年主任、相談しやすい同僚など・・・
辛いことはいつまでも続くわけではありません。続けていればいつかは終わりが来ます。
私自身、競技経験のない部活を任されていたときは、「競技が分からず見ていることしかできない」「大したアドバイスもできないなら、生徒のためになんてなれない」と、もどかしく辛い気持ちを抱えていました。何度も辞めてしまいたいと思いました。
しかし、先輩教師と生徒たちに支えられ、「吹奏楽部の顧問になるまではとにかく続けてみよう」という思いで4年の歳月が経ち、5年目にしてようやく吹奏楽部の副顧問になることができました。
競技経験のない部活動で得たものは、現在でも生きています。
テニスや剣道で必要な腕を大きく振る動作は、吹奏楽の指揮の動作と通ずるところがありますし、運動部の指導を通して大きく声を出せるようになり、学校行事や授業など様々な場面で指示が通るようになりました。
何よりも、部活動の中での生徒との関わり方を学べたのは大きいです。
何気ない日常会話をしてみたり、その競技の魅力を質問してみたり、、
こちらから話しかけると、生徒は嬉しそうに話をしてくれます。
ですが、我慢や辛抱を重ねて自分が壊れてからでは遅いので、勇気をもって辞めることも必要だと思います。手遅れになる前に、身近な人に相談しましょう。
まとめ
以上、私の経験を踏まえて、競技経験のない部活動顧問を任されたときにやるべきこと、意識することについて、基本的な内容を書きました。
しかし、無理は禁物、体と心の健康が一番です。
先生たちが元気でいられることが、生徒の活力につながります。
先生方が充実した生活を送れますよう、お祈りします!